米Facebookと米Googleが2015年6月から7月にかけて、太陽光発電や風力発電などの「再生可能エネルギー」しか使用しないデータセンター(DC)の建設を相次ぎ発表した。米Amazon Web Services(AWS)も2016年末までに、DCの消費電力の40%を再生可能エネルギーで賄う計画だ。大手クラウド事業者の“エコ競争”は新たな局面に突入している。

 Facebookは7月7日(米国時間)、テキサス州フォートワースに同社にとって5番目の自社DCを解説すると発表した(写真1)。フォートワースDCが消費する電力の100%が、風力発電から供給されるものになる。

写真1●Facebookフォートワースデータセンターの完成予想図
写真1●Facebookフォートワースデータセンターの完成予想図
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 そのためにFacebookは、米Citigroup EnergyやカナダAlterra Power、米Starwood Energy Groupと提携して、同DCから90マイル離れた場所に、発電量200メガワット(MW)の風力発電所を建設する。風力発電所は2016年までに完成する予定だ。

火力発電所をDCに改装

 Googleが6月24日(米国時間)にアラバマ州ウインドウズクリークに建設すると発表した新DCも、再生可能エネルギーを使用する。再生可能エネルギーは、Tennessee Valley Authority(TVA、テネシー川流域開発公社)が供給する。Googleは同DCの建設計画の発表文で、同DCの消費電力の100%を再生可能エネルギーで賄うのがゴールだと述べている。

 Googleは、ウインドウズクリークにある閉鎖予定の火力発電所をDCに改装する(写真2)。DCではサーバーの冷却などに大量の水を使用する。このため、Googleは大量の水を利用できる施設をDCに改装する傾向がある。Googleが2009年にフィンランド・ハミナに開設したDCも、大量に水を使用する製紙工場を改装したものだった。

写真2●Googleがデータセンターに改装する予定のウインドウズクリーク火力発電所
写真2●Googleがデータセンターに改装する予定のウインドウズクリーク火力発電所
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