PCではマウスとキーボード、スマートフォンならタッチパネルだったデバイスのUI(ユーザーインタフェース)は、IoT(インターネット・オブ・シングズ)時代には「音声アシスタント」が主役になりそうだ。

 大手家電メーカーや自動車メーカーがここにきて、米IT大手が開発する音声アシスタントの採用を次々と明らかにしている。リードしているのは米アマゾン・ドット・コムの「Alexa(アレクサ)」。2017年1月初旬に開催された「CES 2017」では、韓国LG電子や米フォード・モーター、独フォルクスワーゲン(VW)などが、自社製品へのAlexa搭載を相次ぎ発表した()。

表●主な音声アシスタント
Alexaが「エコシステム」作りでリード
表●主な音声アシスタント
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米フォード・モーターが公開した「Alexa」搭載車載端末
米フォード・モーターが公開した「Alexa」搭載車載端末
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 Alexaは、アマゾンが2014年11月に発売したスピーカー端末「Amazon Echo」に搭載した音声アシスタント。ユーザーが「音楽を再生して」「今日の天気は」などとAlexaに話しかけると、アマゾンのクラウドが音声を認識して理解し、合成音声でユーザーに返答したり、コンテンツを再生したりする。

 アマゾンはその後、Alexaの機能を他社に開放。2016年からアマゾン以外のメーカーが、Alexaを搭載するスマートウォッチやスピーカーなどを販売し始めた。CES 2017でLG電子がAlexa搭載冷蔵庫を発表したほか、フォードやVWが車載端末へのAlexaの搭載を発表。タッチパネルが適さないIoTデバイスのUIとして、Alexaが一躍注目され始めている。