東京・池袋で約80年続く和菓子店、「池袋三原堂」。1階で和菓子を販売し、2階には自家製の甘味を出す喫茶店を併設する。1日の来店客は100人以上。外国人観光客も毎日のように訪れる。

 1階の販売カウンター奥に、米スクエアの決済端末を挿した1台のiPadが置いてある。クレジットカード支払いに対応するためだ。来店客の約1割がクレジットカードを使う。

写真1●「池袋三原堂」の齋藤貴俊氏
写真1●「池袋三原堂」の齋藤貴俊氏
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 池袋三原堂が米スクエアの決済サービスを導入したのは、2013年夏のこと。「正直、クレジット決済に対する抵抗感はあった」と、創業者の孫に当たる齋藤貴俊氏は振り返る(写真1)。クレジット決済を始めるには審査を受け、専用機器を導入しなければならない。手数料もかかる。

 それでも、「長年にわたってクレジット決済の必要性は感じていた」(齋藤氏)という。会計の際、何事もなくクレジットカードを差し出す来店客は少なくない。外国人観光客も増えていた。

 クレジット決済の導入に踏み切ったのは、齋藤氏がWebニュースで米スクエアの存在を知ったことに始まる。その手軽さに魅力を感じた。カード決済分の売上金額が、翌営業日に銀行口座に振り込まれるのも、「商売をしている者として助かる」(齋藤氏)。社長である父親や従業員に説明し、家電量販店でiPadを購入。インターネットで申し込み手続きを終えた。

 クレジット決済を導入して約2年。「特に外国人観光客の客単価が上がっている」と、齋藤氏は手応えを口にする。