FinTechが世界を席巻している。急激に投資マネーが集まり、新事業者や新サービスが次々と誕生。欧米では、金融プレイヤーによるFinTech企業の巨額買収が始まった。

 FinTechとは、FinanceとTechnologyを組み合わせた造語だ。ただし、単なる融合という意味では、ITの勃興期から金融業界はテクノロジーを駆使してきた。今、FinTechが脚光を浴びるのは、破壊的イノベーションとしての期待を背負い、既存の金融機関・金融サービスに再定義を迫っているからだ。

 日本にもFinTechの波は押し寄せている。FinTechを標榜するスタートアップは数を増し、コンテストも盛んだ。とはいえ、先行する米英に比べると、劇的な変化が生じているわけではない。

 日本のFinTechは、既存の金融機関・金融サービスを破壊するのか。共存するのか。それともバズワードで終わるのか。その行方を追った。