日本も米国も株価が好調に推移しています。ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価は過去最高値をどんどん更新していきます。

 とりわけ注目を集めているのが「FANG」です。英語の「牙」という意味を持つFANGはフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの頭文字を並べたものです。

 4社は言わずと知れた第三世代プラットフォームのプラットフォーマーであり、エコシステムの住人です。この4社にアップルやマイクロソフトを加えると、ニューヨーク株式市場の時価総額の半分を優に超えるそうです。

 よく言われることですが、ベンチャー企業は米国の産業界に非常に大きな影響を与えています。FANGはいずれも10年から20年ほど前にスタートアップとして登場した若い企業です。こうしたベンチャー企業が存在しなかったら、米国の産業界は今の半分ほどの規模だったかもしれません。株価の過去最高値の更新などあり得なかったでしょうし、エコシステムやデジタル革命も存在しなかったに違いありません。

(提供=123RF)
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ザッカーバーグもベゾスも元は普通の人

 ベンチャー企業の隆盛の背景には、ベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルの存在が欠かせません。米国ではベンチャーキャピタルが毎年数兆円規模の金額をベンチャー企業へ投資しています。ベンチャー投資の規模を日本と比較すると、何と2ケタの差があります。

 マーク・ザッカーバーグやジェフ・ベゾスといったFANGの立身出世物語を目にすることは多いのですが、成功してから過去を振り返る立身出世物語は何となくこの世のものとは思えません。少なくとも自分には関係のない話のように感じます。

 しかし、ビジネスをスタートしたばかりのころは、彼らも私たちと同じような普通の人だったはずです。フェイスブックのザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は今や全米の富豪ランキングの上位に君臨していますが、彼がビジネスを始めたのはハーバード大学の学生だったときです。日本だろうが米国だろうが、学生は学生です。ビジネスのことを分かっていたわけではないでしょうし、人脈も無いに等しかったことでしょう。