先週、米国ラスベガスに出掛けていました。米Amazon Web Services(AWS)主催のイベント「re:Invent」に参加するためです。前回、ラスベガスに出向いたのは「COMDEX」に参加するためだったので、ほぼ20年振りになります。

 今回のイベント全体の来場者は何と1万9000人。非公開で招待制の「Executive Summit」や、パートナー企業限定の「Global Partner Summit」も併催されており、Global Partner Summitだけでも4000人の参加者がいたそうです。次々と新サービスが発表されるたびに会場にどよめきが起き、熱気がありました。かつてのCOMDEXはIT業界全体が参加する祭典のようなイベントでしたが、今やアマゾン1社でラスベガスを満杯にできるのだから大したものです。

 イベントに参加してどう感じたか? ザックリしすぎる問いですが、私がもともと抱いていた「AWSはクラウド時代の鍵となる存在」——という思いを、今回のイベントでは一層強める結果になりました。

 例えばAWSの総責任者であるアンディ・ジャシー上級副社長(SVP)の基調講演。その冒頭で、AWSの売上が対前年比で81%増加したとの報告がありました。IT業界でも最大の伸長率だそうです。IBMやマイクロソフトが売上を落としているのとは対照的で、業界の主役が変わりつつあるのを感じます。

 アマゾンに限らず、クラウドブームの中で急成長を遂げている大企業や、そこを目指すスタートアップで重要なキーワードが「Disrupt」です。日本語にすれば「ぶっつぶす」といった意味になります。

 クラウドの恩恵を受けて成長するスタートアップ企業は、従来のビジネスモデルや既存ビジネスを「ぶっつぶす」ことを狙っています。ぶっつぶされる「敵」は旧態依然とした古い企業や業態です。アマゾンは自らが旧勢力をぶっつぶすプレーヤーであるだけでなく、AWSを武器にしてアマゾンと一緒に敵を「ぶっつぶす」パートナーを求めているのだと、今回のイベントに参加して強く感じました。