「君はまったくIT業界のこと以外は全然知らないんだね」

 久しぶりに怒られました。話の相手はマイクロソフト日本法人の元社長にて、古くからおつきあいをいただいている成毛眞氏(関連記事:IT業界がすっかり失った大切な“関係” )。ビデオ配信にアマゾンが参入したことを話題にしているときでした。

(提供=123RF)
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「それにしてもアマゾンのビデオはプライム会員ならば無料ですからね。無料より強いものはない。さすがのネットフリックスもこれには対抗できないのではないですか?」
「ビデオコンテンツはそんなに単純なビジネスじゃない。アマゾンとネットフリックスは競合にならないよ」

 成毛さんの話に感心してからしばらくたって、ビデオオタクの友人K氏とビデオ談義を交わす機会がありました。K氏も成毛さんも同じことを言います。

K氏「ネットフリックスはコンテンツがすごいからね。アメリカではみんな『ハウス・オブ・カード 野望の階段』を見たくてネットフリックスを契約するんだよ。Amazonプライムビデオとは比較にならないね」

 果たして本当にそうなんだろうか。少しネットフリックスのことを調べてみることにしました。

 運営元の米ネットフリックスは2015年に80億ドル(約8000億円)の売上をあげました。大変成功している会社ですが、これだけではびっくりするほどのことはありません。日本最大のCATV会社であるジュピターテレコムの売上は5183億円(2015年度)。日米の人口格差を考えると同じような規模に見受けられます。