ある金融機関でこんなことを聞かれました。

 「FinTechはどうですか?」

 最近、FinTech 2.0というタイトルの本(「FinTech 2.0―金融とITの関係がビジネスを変える」(中央経済社))を上梓してからよく聞かれるようになった質問ですが、何を答えればいいのか窮してしまいます。

提供=123RF
提供=123RF

 例えば、資産運用を支援するサービスである「ロボアドバイザー」と、信用情報を分散処理する技術の「ブロックチェーン」では技術もビジネス環境も全く異なっています。また米国の話と日本の話では全然違います。

 米国では2000社を超えるFinTechベンチャー企業が設立されたと聞きます。そのトップの50社はいずれも例外なくクラウドの「Amazon Web Services(AWS)」を利用しているそうです。

 つまりFinTechベンチャーとして成功している50社はいずれも第3世代プラットフォーム、エコシステムの住人だということです。FinTechは何かという質問に対する答え方はいろいろあるでしょうが、ベンチャー企業についていえば、FinTechは金融ビジネスのデジタル化、エコシステム化なのです。