日本オラクルのトップが交代して、ドイツの方が新CEO(最高経営責任者)に就任するというニュースが流れました。

 このところオラクルに限らず、外資系IT企業の日本の子会社におけるトップ人事の話題に事欠きません。先日は日本IBMの社長交代のニュースが流れたばかりです。

 どうも外資系IT企業にとって、日本の子会社のマネジメントは頭の痛い問題なのかもしれません。

(提供=123RF)
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自社製品のデプロイメントはパートナー任せ

 そんなことを考えているときに、ある外資系IT企業の幹部と話す機会がありました。その幹部はこう言います。

「ウチの場合、日本の子会社は『日本のマーケットがいかに特殊かということしか言ってこない』と言われます。例外申請ばかりだというのです。放っておいたら日本市場はグローバルと違ったものになってしまう。本社としては、それが困るというわけです」

 私も米国のIT企業を訪問するときには、日本のマーケットが独特のメカニズムを持っていることを説明するところから話を始めます。顧客の要求が強く、請負契約でシステム完成のコミットメントを求められる。ユーザー企業のIT体制が弱いのでベンダー側の負担が大きい。こうした点は確かに米国と異なると思います。