4月に米国で開かれたOracleのイベントでラリー・エリソン会長のプレゼンテーションを聞きました。彼はOracleがどれほどクラウドに賭けているか、いろいろな例をあげて分かりやすく説明してくれました。熱のこもった彼の話を聞くほどに私は、「パソコン時代の終焉」を感じざるを得ませんでした。

 なぜそう思ったのか。その話をする前に、エリソン会長の話で私が関心を持った要点を挙げてみましょう。

  • 今、米国の証券市場ではクラウド勝ち組のAmazon.com、Googleと、負け組であるIBM、HP、SAPの株価がどんどん開いている。OracleやMicrosoftは必死に追随していて、ひょっとするとクラウド時代に成長できる会社になるのではないかと見られ始めた。
  • 今やOracleの競合はIBMやSAPではない。FacebookやGoogleと競争していかなければ生き残れない。
  • 既存のアプリケーションをAmazonの環境に移しても、そんなものは既存アプリケーションだ。クラウドにはクラウドに適したアプリケーションがある。そうしたものだけが時代をリードし、注目を集めている。Facebookがそうだ。だからOracleは統合ERPパッケージ「Oracle E-Business Suite(EBS)」を全面的に再開発してクラウドアプリケーションとして作り直す。クラウドアプリケーションをOracleクラウドに実装して展開する。
  • SaaSベンダーとして最大の売り上げを誇っているのはSalesforce.comだが、OracleのSaaS売り上げはSalesforceを急速に追い上げている。近い将来にOracleはアプリケーションでもトップの座を目指す。