前回に引き続き、IT業界関係者とのゴルフ談義に花が咲きます。

楠「以前は『日本で最初にこれを導入する』っていう気概を持ったCIOが結構いたよね。なんかそういう人種にお目にかからなくなったように思うんだけど、気のせいかな」。

A氏「野村さんは結構そういう案件をやってこられたんじゃないですか」。

楠「野村証券なんか日本初のオンパレードみたいな会社だよ。そもそも民間企業で初めてコンピュータを導入したのは野村証券だけど、当時は会社の利益を全部つぎ込むみたいな大胆な投資だったと聞いているよ。それだけじゃない。第2次オンラインや第3次オンラインだって日本で初めてという気概があったし、その後のWindows NT導入に至っては実質的に世界で初めてだった。今のNRIがあるのは野村証券のそういうチャレンジ精神に負うところが大きいと思う。当時は都銀だってずいぶんチャレンジ精神があったよね」。

(提供=123RF)
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A氏「そうですね。私の知っている範囲でも大手銀行のIP電話導入なんかはそういう例ですね」。

B氏「私はある銀行のSOAP(Simple Object Access Protocol)導入プロジェクトに関わっていましたが、あれも相当チャレンジでしたね」。

C氏「今はFinTechやクラウド関連などいろいろプロジェクトはあるものの、どうも上から言われているので仕方なくやっているアリバイ工作のようなところがありますね。『上からは「新しいことをやれ」と命令されているんです』なんて言ってますよ。ブロックチェーンがどれだけすごい技術なのか分かりませんが、3人ぐらいのプロジェクトで味見しただけでビジネスモデルが改革できるわけないですからね」。