コンサルタントとして社会人生活をスタートしたばかりのころです。尊敬する先輩にこんなことを言われました。

A先輩「楠君、君は仕事が好きだね。仕事が好きだというのにもいろいろな種類があるんだよ。ぼくは大別して三つパターンがあると考えているんだ。一番分かりやすいのは『人が好き』だというやつ。お客さんが好きだからとか、上司が好きだからとか。好きな人に一生懸命奉仕するという考え方だね」。

楠「私はどちらかというとそのパターンのように思います。お客さんの担当者と相性が良いと一生懸命やりたくなりますし、嫌な人だと仕事を投げ出したくなってしまうこともあります」。

(提供=123RF)
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A先輩「二番目のパターンは『モノが好き』というパターン。理系の卒業生などはそういう人が多いね。コンサルタントでも、調査するテーマや対象が好きだというケースがある。自動車が好きだから自動車の研究をやるとかね。楠君もこの調査テーマは好きだとか、こっちは関心がないとかあるだろう」。

楠「私はどんな調査テーマでも比較的関心を持ってぶつかることができると思います。でもテーマに対する関心がないと、確かに良い調査はできないですよね。三番目のパターンはなんですか」。

先輩「三番目は『自分が好き』というパターンだね。こういうやつもいるだろう」。

楠「それは分かりやすいですね。Z先輩みたいな人だ」。

 どこの会社にも自分のことばかり気にする自分勝手な輩はいると思います。当時、Z先輩は自分勝手に好きなことばかりやっていて、他人の迷惑を考えない代表選手のような先輩でした。

A先輩「仕事が好きというのは人かモノかそれとも自分か、どれかが好きなんだよ」。