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NRI楠真 強いITはココが違う

レガシーとデジタルが交代する2018年

楠 真=野村総合研究所(NRI) 2018/01/10 ITpro

 明けましておめでとうございます。2018年がスタートしました。今年の干支は戊戌(つちのえいぬ)、よく似た漢字が2つ並んだ年です。私は普段、干支など気にしたことがないのですが、今年は少し気にかかります。いわゆる還暦に当たる年だからです。だから年初にあたって戊戌を少し調べてみました。

 戊戌の干支が前回巡ってきたのは60年前。東京タワーが出来上がった年です。天皇陛下と美智子皇后の御成婚が決まったのも同じく60年前のこと。スバル360が発売されたのもこの年で、ここからマイカーブームがスタートしました。

 東京タワーが出来上がった1958年、日本ではラジオ放送がピークに達していました。新しいニュースも流行もお茶の間に置かれたラジオを通じて全て国民へ伝わっていたのです。しかし東京タワーの完成後テレビが急速に普及して、その結果、家庭におけるメディアの主役はラジオからテレビへすっかり移ってしまいました。一方で、美智子皇后の結婚は、それまで皇族や華族の間での婚姻が習わしだった古い因習を打ち破り、戦後の新しい日本の象徴的な出来事として歓迎されました。

 当時、自動車は事業用として利用されていて、個人にとって手の届く存在ではありませんでした。日本独自企画の軽自動車を大量生産したスバル360は個人にも手の届く車として、マイカーのブームをスタートさせました。

 60年前の日本は世界を驚かせた奇跡の高度成長期へ向けて、日本という国がスタートを切った年だったようです。

 「戊」と「戌」という字はよく似ていますが、意味は正反対なのだそうです。戊は茂(しげる)という意味で、成長を意味します。反対に戌は終末です。この二つの字が並ぶと互いにうち消すことはなく、どちらか一方に大きく傾くと言われています。つまりすごく繁栄するか、すごく衰退するかです。

 だからテレビがすごく繁栄する一方で、ラジオが衰退していく。新しい皇室が注目される中、古くからの華族制度は衰退する。マイカーブームの裏側でも路面電車が廃れていったわけです。そうした急激な変化が同時に起きるのが戊戌という年なのだそうです。

 IT業界を見ると、2018年が60年前と同じ新旧交代の年になりそうな予感を強く感じます。レガシーとデジタルの交代です。

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