長谷川 誠(はせがわ まこと)氏
長谷川 誠(はせがわ まこと)氏
コンタクトレンズの販売会社を経て、2000年6月にワークマン入社。SVとして岐阜や愛知、兵庫地区の店舗を担当し、2013年8月にスーパーバイズ部分析チームマネジャーに就任。ワークマンのデータ活用をけん引している。

 全国に約740店の作業服販売店チェーンを展開する当社は、店舗を指導するスーパーバイズ部に「分析チーム」を置いています。

 分析チームの役割は、店舗指導員(SV)のデータ活用スキルを高めることです。定期的にSVに対して教育・研修を実施し、SVが統計解析ソフトを使いこなし、店舗に対して商品の発注や陳列を適切に指導できるように支援しています。

 データ活用というと、どうしても分析プロセスに目が行きがちです。とはいえ、分析スキルだけをどれだけ高めても、店舗指導がうまくいくとは限りません。

 例えば、当社は「クラスター分析」と呼ばれる手法を活用し、約740店を商品の販売傾向といった切り口で24のグループに分類しています。同じクラスターに属する店舗同士を比較し、課題を浮き彫りにするためです。

 ただし、「課題を抱え、改善が必要な店舗」とそうでない店舗の判断基準が明確でないと、せっかく分析結果が出ても、どの店舗から手を付けていいのか見当がつきません。
 大切なのは、SVがデータから物事の良しあしを判断できるよう、適切な「しきい値」を設定できるようにすることです。