辻 良紀(つじ よしき)氏
辻 良紀(つじ よしき)氏
大手ノンバンクで8年間、案件審査などに携わったあと、カード企画部門に移籍。それまで与信業務に限っていたデータ分析をマーケティングに適用する業務に5年ほど携わる。2008年、TMJに入社。現在、競争力開発室で分析を手掛けている。週末は趣味のサッカーを、小学生チームのコーチとして楽しむ。

 当社はコールセンターやBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などのサービスを手掛けています。顧客企業の競争力を高めることを目指して、「競争力開発室」を4年前に設立。私はここでデータ分析を担当しています。

 分析による成果も出ています。顧客企業から見込み客リストを預かって一定期間、電話セールスを行うアウトバウンドセールスでは、受注件数を分析で増やすことができました。見込み客の属性や過去の受注状況などのデータを分析して、受注確率を割り出し、見込み客を確率の高い順に並べてリスト化する仕組みを開発したのです。

 この仕組みでは、過去の実績を学習して予測精度を高めるニューラルネットワークと呼ぶ、神経回路と同じ仕組みの分析手法を採用しました。ある事例では、ベテラン社員が計画を立てて電話セールスをする場合と比べて、受注件数を30%増加することができました。