最近、赤ちゃん用に開発されたIoT(Internet of Things)製品やロボット製品を目にして、舌を巻くことが多くなった。赤ちゃんの生活がテクノロジーによって改善されようとしていることに、感心せずにいられない。
今回はそんな赤ちゃん用のIoT製品やロボット製品を三つ紹介しよう。
米Wearless Techというスタートアップが開発した「Cocoon Cam」は、新世代の「赤ちゃん用モニターカメラ」だ(写真1)。赤ちゃんの様子を見守るモニターカメラは、IoTというコンセプトが出てくるずっと前からアメリカでは数多く製品化されていた。離れた部屋にいても赤ちゃんが泣いている様子を知りたいというニーズは、広い家に住むアメリカならではだ。
またアメリカには、子供をあまり抱きすぎず、早くから自室に一人で寝かせるという習慣もある。さらにはベビーシッターを監視する用途にも、モニターカメラが必要とされてきたようだ。こちらは、あまり気分のいいものではないが。
そうしたモニターカメラの進化形がCocoon Camだ。特徴は、カメラでありながら、赤ちゃんの呼吸や心拍数、体温が分かることだ。従来のカメラはただ「様子」が見られるだけだったが、見た目だけではなく、身体の状況も科学的に分かるのだ。
赤ちゃん用ウエアラブルデバイスも進化している。例えば米Rest Devicesの「Mimo」(写真2)は赤ちゃんの衣服に装着することで、呼吸や体温、体勢、活動レベル、睡眠中かどうかといったことを、スマートフォンのアプリケーションから確認できるようになる。
赤ちゃんのベッドのシーツにも工夫があり、「スマートシーツ」として赤ちゃんの動きを感知できる。シーツの上に描かれたパターン状のセンサーが赤ちゃんの動きを割り出すようだ。ある一定時間内に動かなかった場合に、アラートを送ったりする。
「Nest」と連動、赤ちゃんがエアコンをコントロール
MimoはほかのIoT製品とも連動する。便利そうなのは、エアコンの運転を最適化するスマートサーモスタット(温度計)の「Nest」と連動だ。赤ちゃんが暑そうだと分かったら、MimoはNestと連携してエアコンの温度を下げる。そうするとその内、Nestが「赤ちゃんの好みの温度」を学習してくれる。つまりウエアラブルデバイスを付けた赤ちゃんが、室内の気温をコントロールするというわけだ。