日本より一足先にアメリカでリリースされたスマートフォン向けゲームの「Pokémon GO」が即刻大ヒットになっているが、その影でハプニングや犯罪が起こっているのに加えて、セキュリティに関する問題点も指摘されている。

 ポケモンGOは、位置情報を利用して現実世界で「ポケモン」を捕まえに行ったりバトルしたりできるゲームである。プレーヤーはスマホを手に町中や公園を歩き回ってポケモンを探すことになる。ゲームの目的の一つは、コンピュータやテレビの前から動かないアメリカ人を、外へ出て運動させることだというから、その役割は十分果たしつつあるようだ。

写真●スマホで遊ぶ位置ゲーム「Pokémon GO」
写真●スマホで遊ぶ位置ゲーム「Pokémon GO」
(撮影:中田 敦)
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 しかし、2016年7月6日のリリース後まもなく、プレーヤーを巻き込んだ複数の犯罪が起きている。

ポケモンプレーヤーを誘い込んだ強盗事件が発生

 一つはミズーリ州のショッピングセンターの駐車場に止められた車にプレーヤーを誘い込み、所持品を奪うという窃盗。リリース翌日から犯人らが捕まる7月10日までの間に10人以上が犠牲になったようだ。

 この窃盗事件の犯人は17~18歳の4人の若者。テクノロジーの知識もあるようで「ポケストップ」(モンスターボールやほかの道具が見つかる場所)にビーコンを設置し、ポケモンとひいてはプレーヤーを呼び寄せるのに成功している。プレーヤーが罠に落ちたところを銃で脅して所持品を奪っていたという。いくつかの別の州でも似たような犯罪が起こっているのが報告されていて、州警察が注意を呼びかけている。

人気の無い川辺で死体を発見

 既に日本でも報道されているハプニングとしては、ポケモンを探していた女性が偶然死体を発見したというもの。この19歳の女性は、ポケモンを捕まえようと川岸を歩いていて、ふと気がつくと側にうつぶせの男の死体があった。すぐに警察に連絡をしたが、彼女はその後1時間怖くて泣き続けたという。

 だが、そこに行き着くまでの道のりもぞっとするものだ。高架ハイウェイの下を通って川岸へたどり着いたというのだから。人気のないこんな場所へ女性が一人で歩いて行けば、死体発見どころか、自分が何かの事件の犠牲者になることだってあっただろう。

Pokémon GOが交通トラブルを引き起こす?

 また、歩いてポケモンを探すのではなく、横着して車を出す人々がたくさんいるようだ。そして、路上でいきなり停まって、後続車両に追突されそうになるというケースが多々起こっている。もちろん、運転手はそこでポケモンを見つけたのだ。これから路上がさらに危険になりそうだ。