今日は米国と日本のBtoBマーケティングの違いを書こうと思います。

 マーケティングを設計する上で、ターゲティングが重要なことは言うまでもありません。パンフレットやリーフレットといったコラテラルを作るにも、Webをリニューアルするにも、典型的な対象を定義するための「ペルソナ」と呼ばれるプロセスを行うことが当たり前になっています。しかしその一方で、自分たちが使おうとしているツールやプラットホームがいかなる環境やビジネスカルチャーを持つ企業を対象に設計されたかに興味を持つ人は少ないようです。

 今、マーケティングオートメーション(MA)、SFA/CRM、CMS、キャンペーンマネジメントなど多くのマーケティングソリューションが日本に流れ込んできています。どれも素晴らしい機能を備えた製品で、しかも日進月歩で進化しています。BtoBマーケティングを実施する上で、これらのツールを使わない選択肢はほとんどないと言っても良いでしょう。

 ただ理解して欲しいのは、それら多くのソリューションは日本とは異なるビジネスカルチャーを持つ米国で生まれたということです。EloquaやPivotalのようにカナダで生まれたものも、Neolane や Sitecoreのように欧州で生まれたものもありますが、それらも米国を主な市場としています。つまり米国で使われることを想定して開発されているのです。ですから、それを日本で使おうと思えば、基本的な想定環境の違いを理解しておく必要があるのです。

 大きな違いは以下の3つです。

1.意思決定プロセス
2.法律
3.データマネジメントの難易度

 3回に分けてそれぞれ説明しようと思います。