アマゾン データ サービス ジャパンのイベント「AWS Summit Tokyo 2015」内で2015年6月3日、「AWSで組織は変わるのか!? 先進ユーザーが体験した想定外の効果」というテーマのパネルディスカッションが開催された(写真1)。
コーセー、横河電機、ホンダの女性SE3人が、Amazon Web Services(AWS)の大規模導入に踏み切った経緯や社内の反応などについて語り合った。
3人は共にAWSのユーザーグループである「Enterprise Japan AWS User Group(E-JAWS)」のメンバーだ。AWSの利用企業のうち、比較的規模が大きい企業の意思決定権者のみが参加できるグループである。3人は個人としてはAWSに好意的だが、上司やシステム・ユーザー部門、取引先ITベンダーとの関係などに配慮したうえで、AWSを組織的に活用するには苦労があったようだ。
販売員向けiPadがAWS採用の契機に
コーセー情報統括部部長の小椋敦子氏(写真2)は、店頭支援システムの化粧品販売員向け端末としてiPadを導入した2012年にAWSを使い始めた経緯を語った。
「初年度は一部店舗だけでiPadを導入し始めたが、その後徐々に端末数を増やした。事前にサーバーのサイジングを確定するのが難しかったため、クラウドの活用を考えた。お客様の個人情報を扱うため、特にセキュリティの観点からクラウドサービスを比較検討し、AWSが最適だと判断した」(小椋氏)。
iPadの導入台数は当初は約700台だったが、現在は約1600台になり、さらに増え続けている。「月末などの繁忙期の負荷は予測不可能で、自動的に処理能力を拡大できる機能が役に立っている」(小椋氏)。
店頭支援システムが無事稼働してから、さらにAWSの適用分野を拡大中だという。現在は全ブランドのWebサイトがAWS上で稼働している。「資源管理システム」「損益管理システム」といった会計関連のシステムもAWS上に移行しつつある(写真3)。