「小さく始めて大きく育てられる」。ITインフラにクラウドを使う、大きな利点だ。事業が急成長している企業はクラウドにどんな利点を感じ、どう活用しているのか。「AWS Summit Tokyo 2015」では、オイシックス、星野リゾート、住宅情報サイト「HOME'S」を運営するネクスト、そしてガイドブック「地球の歩き方」運営企業の担当者が登壇(写真1)。企業規模もシステムも伸び盛りの企業は、「まずはクラウドへ」という方法が現実解との見方で一致した。

写真1●「AWS Summit Tokyo 2015」で実施されたパネルディスカッション「伸び盛り企業の AWS 利用あるある!」の様子
写真1●「AWS Summit Tokyo 2015」で実施されたパネルディスカッション「伸び盛り企業の AWS 利用あるある!」の様子
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 登壇したのはオイシックス システムサービス部の田中沙織氏、星野リゾートの久本英司グループ情報システムユニットディレクター、ネクスト HOME'S事業本部プロダクト開発部 技術基盤ユニットプラットフォームグループの長沢翼氏、地球の歩き方T&Eの服部正和メディア事業部メディア企画課課長兼WEBインフラ室室長だ(写真2)。モデレーターはアマゾン データ サービス ジャパンの齊藤英輔ストラテジックアカウント本部兼テリトリーマネジメント本部本部長が務めた。

写真2●左からオイシックス システムサービス部の田中沙織氏、星野リゾートの久本英司グループ情報システムユニットディレクター、ネクスト HOME'S事業本部プロダクト開発部 技術基盤ユニットプラットフォームグループの長沢翼氏、地球の歩き方T&Eの服部正和メディア事業部メディア企画課課長兼WEBインフラ室室長
写真2●左からオイシックス システムサービス部の田中沙織氏、星野リゾートの久本英司グループ情報システムユニットディレクター、ネクスト HOME'S事業本部プロダクト開発部 技術基盤ユニットプラットフォームグループの長沢翼氏、地球の歩き方T&Eの服部正和メディア事業部メディア企画課課長兼WEBインフラ室室長
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 登壇した各社に共通するのは、事業が急成長していることだ。例えば星野リゾートは、元々は二つだった運営施設の数がここ10年ほどで30施設あまりに増えた。現在も海外にリゾート施設を作るなど事業拡大に努めている。事業の広がりに伴って、従業員も約2000人と10倍に増えた(写真3)。

写真3●星野リゾートの事業拡大とAWS利用の状況
写真3●星野リゾートの事業拡大とAWS利用の状況
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「ITチームはいっぱいいっぱいの状態。私が勤める会社はこれで5社めだが、今が一番忙しい」。同社の情報システムを担当する久本氏は、こう打ち明けた(写真4)。住宅情報サイト「HOME'S」を運営するネクストも、インテリア用品のECサイトや旅行者向け情報サービスなどを運営する。グループ会社も増やすなど、事業を拡大している。

写真4●星野リゾートの久本氏
写真4●星野リゾートの久本氏
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 各社は顧客向けのECサイトや予約サイト、情報配信サイト、社内向けのテスト環境やディザスタリカバリー用のバックアップなど、様々な用途にAWSを活用する。各社がAWSの利点として実感していることが、システムの拡張性を容易に高められることだ。