写真1●ローソン 業務統括本部 システム基盤部 マネジャーの進藤広輔氏
写真1●ローソン 業務統括本部 システム基盤部 マネジャーの進藤広輔氏
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 「Amazon Web Services(AWS)」の導入検討を進める上で一番の障壁は、変化を避ける現行踏襲の考えをいかに打破するかだった」――。ローソン 業務統括本部 システム基盤部 マネジャーの進藤広輔氏は、アマゾン データ サービス ジャパンが2015年6月2、3日に東京都内で開催したイベント「AWS Summit Tokyo 2015」でこう語った(写真1)。進藤氏は「ローソンがAWSを使うまでの軌跡 ~打ち破れ、現行踏襲~」と題した講演で、同社が進めるAWS導入の経緯と苦労について話した。

 ローソンは昨年開催されたAWS Summit Tokyo 2014で、業務系システムのAWSへの全面移行について説明している(関連記事:ローソンや日通がAWSへ全面移行、AWS Summitで明らかに)。2016~2018年にかけて、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)とCRM(顧客関係管理)を統合した次世代基幹系システムをAWS上に構築し、本部系から店舗系までの各システムも順次AWSに移行する方針を打ち出していた。

 進藤氏によると、ローソンがAWSの導入検討を始めたのは2013年の夏だという。2013年時点は2つのシステムでAWSの利用検討を始めた。現在は15~17のシステムで検討もしくは既にAWSの利用を開始している。15~17システムの内訳は、実験・基盤系が5割と最も多く、続いて店舗・基幹系、本部・EC(電子商取引)系である(写真2)。

写真2●AWSを検討・利用するシステムの推移と内訳
写真2●AWSを検討・利用するシステムの推移と内訳
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利点は試用のしやすさや運用負荷の軽減

 進藤氏はAWSの利点をこう述べる。「AWSはオンプレミス(自社所有システム)に比べてサーバーの調達期間が短い。実験系のシステムのように、取りあえず3カ月試用するといった用途に向く」。

 AWSが障害対応などを担うマネージドサービスや、負荷に応じて仮想マシンのスペックをこまめに増減できる「スケールアップ/ダウン」も、AWSの利点とした。