今回解説するBABOK Guide V3の知識エリアは、「要求のライフサイクルマネジメント」である。
要求のライフサイクルをマネジメントする目的は、ビジネス要求、ステークホルダー要求、ソリューション要求、デザインを、互いに整合させ、ソリューションの実装に確実に反映することである。要求に対してのレベルに応じた管理だけでなく、構築しデリバリーする実際のソリューションに要求をどのように実装するかについての管理も行う。また、ビジネスアナリシスの情報を将来、有効に活用できるように支援する。
要求のライフサイクルマネジメントの流れは、次の通りである。
- ビジネスニーズを要求として表現するところから始まる
- ソリューションの開発作業の間、ライフサイクルは続く
- ソリューションとそれを表現する要求やデザインが廃棄された時点で終了する
ソリューションが実装されたからといって、要求の管理がそこで終わるわけではない。ソリューションの存続期間のすべてで要求は価値を提供し続けるので、要求を適切に管理しなければならない。
この知識エリアでも、タスク名は「要求を~する」だが、その内容は「要求とデザインを~する」という意味なので注意が必要だ。