第1回は、マイナンバーがなぜ導入されるのか目的について述べた。第2回は、マイナンバーがこれまでの「個人情報」と何が違うのか、マイナンバーを扱う際に知ってほしい大枠のポイントを解説する。

 マイナンバーを取り扱うのは国や自治体だけではない。マイナンバーによって社会保障の手続きを簡単にしたり、所得を正確に把握したり、行政サービスを効率化するには、一般の会社や健康保険組合などでも広く取り扱う必要がある。自分のマイナンバーを守るだけでなく、日常の業務で他人のマイナンバーを正しく扱えるようにしなければならない。

 健康保険や年金などでは、「マイナンバー〇番の誰がこの保険料を支払っている」という風に、マイナンバーを手続きに使う必要がある。年金であれば日本年金機構だけではなく、健康保険であれば健康保険組合だけではなく、その手続きを行う企業でも従業員やその扶養家族のマイナンバーを利用することになる(図1)。

図1●年金や健康保険などでマイナンバーを手続きに使う
図1●年金や健康保険などでマイナンバーを手続きに使う
[画像のクリックで拡大表示]

 また個人株主への配当の支払いや個人顧客への保険金の支払いのほか、個人取引先に報酬を支払ったり、従業員に給与を支払ったりした場合には、原則として税務署に源泉徴収票などの法定調書を提出して、「マイナンバー〇番の誰にいくら支払った」ということを示さなければならない。法人格のない社団も源泉徴収票などを提出する場合は、金銭を支払う相手方のマイナンバーを利用する。

「個人情報」と何が違う?

 マイナンバーは個人情報の一種である。しかし、これまでの個人情報とは異なる取り扱いが求められる。まず、マイナンバーはそれ以外の個人情報とは何が違うのか、という点を確認しよう。