工場内を走る搬送車、現場で働く作業員、そして商業施設を買い回る来店客―。ヒトやモノの動きを「動線」として見える化する取り組みが始まっている。IoT(モノのインターネット)で位置情報を捉え、一筆書きで動きを描く。動線を分析すると、仕事に潜むムダを解消し、新たな商機が見えてくる。製造、物流、流通の動線分析の生々しい実態に迫り、ITを駆使した手法を紹介する。
(加藤 慶信、山端 宏実=日経情報ストラテジー)
工場内を走る搬送車、現場で働く作業員、そして商業施設を買い回る来店客―。ヒトやモノの動きを「動線」として見える化する取り組みが始まっている。IoT(モノのインターネット)で位置情報を捉え、一筆書きで動きを描く。動線を分析すると、仕事に潜むムダを解消し、新たな商機が見えてくる。製造、物流、流通の動線分析の生々しい実態に迫り、ITを駆使した手法を紹介する。
(加藤 慶信、山端 宏実=日経情報ストラテジー)
「食品スーパーと実用衣料品店を隣り合わせで配置すると集客効果が高い」「エスカレーターの前は来店客が立ち寄りやすい」─。
「ムダ取り」ではなく「増客・増収」を狙って動線分析に取り組むのが流通業。特に、複数の店舗を集めたショッピングモールなどの商業施設では、人の流れから店舗同士の「相性」を割り出すことで、店舗配置の最適化につなげようとしている。
物流企業のDHLサプライチェーン(DSC、東京・品川)も2011年から動線分析に着手。分析結果を業務改善に生かしている。
人や装置の動きを捉えて生産性を高める。こうした狙いから動線分析に着目するのは、生産性に厳しい製造業や物流業だ。まずは工場内物流の効率化に活用するクボタの取り組みを見てみよう。