僕は紙の手帳に関する単行本をずいぶん書いてきたが、2000年を境に執筆をやめた。そのタイミングから、手帳をデジタルに切り替えたからだ。今でもメモやノートを紙に書くことがあるが、スケジュールやアドレス帳など、それまで手帳の役目とされていた情報の管理は全てデジタルに移行している。

 今さら言うまでもないことだが、仕事で使う手帳は絶対にデジタルが優れている。効率を考えると、紙の手帳を使うのはナンセンスだ。もちろん、紙への愛着や心地よさを否定するつもりは一切ないが。

 ただ冷静に考えてみると、手帳の代わりになるほどのアプリはほとんど見たことがない。スケジュール管理やTODO、ノートアプリなどはそれぞれに優れたものが多数あるのだが、まとまって「手帳」として使うアプリはあまり存在しなかった。

 そこへ登場したMetaMoJiの「GEMBA Note」(iOS向け)は、まさに手帳アプリと呼べる逸品だ。

 最初に価格をチェックしておく。アプリにはフリー版が用意されていて、作成できるノートや用紙の数に限りがある。制限が無制限のスタンダード版は、月額480円または年額5000円だが、2016年7月下旬時点では期間限定で半額になっている。フリー版とスタンダード版に見た目の違いはほとんどない。

 ページを日付で管理しているのが、手帳らしいところだ。アプリを起動した段階で、開いているページは今日のノートだ。ノートを追加するとその日のページが増えていく。翌日ページを追加すると、その日の日付けになるのが特徴だ。

アプリを起動すると今日のノートが開く。ここから、さまざまなコンテンツを追加できる。
アプリを起動すると今日のノートが開く。ここから、さまざまなコンテンツを追加できる。
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