仕事でよく使われるアプリの筆頭が「Microsoft Office」であることは疑う余地がない。就職活動をしている人に話を聞くと、「Microsoft Officeを使えることが条件になっている求人も多い」という。

 ただ、最新のMicrosoft Officeを使いこなせる必要があるかというと、実はそうでもない。

 皆さんは、どのバージョンのMicrosoft Officeを使っているだろうか。僕は、新しい機種だけでなくかなり古い機種のパソコンも現役で使っているので、「Office 2010」から「Office 2016」までを併用している。

 結局のところ、Office 2010でも多くの場合は事足りてしまう。最新のMicrosoft Officeは最良といえるし、無料で使えるなら使わない理由はないが、お金を掛けてまでバージョンアップしても魅力的な機能がどれだけ増えるかというと、少々疑問だ。

 「今までのバージョンで十分だ」と多くの人が思っているのではないだろうか。また、企業では、使い勝手が変わらない方が望ましいケースも多い。

 むしろ最近少しずつ話題になっているのが、タブレットやスマートフォンなどモバイルデバイス向けにマイクロソフトが提供しているOfficeアプリだ。機能の数はパソコン向けであるOffice 2016に比べるとかなり少ないが、Officeでよく使う主要機能はほぼ網羅している。「モバイルでOfficeは使いにくい」という意識が、「モバイルでも使えるOfficeが出てきた」に変わってきているのだ。

 モバイル向けのOfficeは、iOS、Android、Windows向けが提供されており、10.1インチ以下のデバイスで無料で利用できる。それぞれ「Excel」や「Excel Mobile」といった名称でアプリが提供されていて、「App Store」「Google Play」「ストア」などからダウンロードできる。

 ただし、機能の一部は制限されている。全ての機能を利用するにはOffice 365のサブスクリプションが必要になる。機能は日々進化しているので、詳しくはマイクロソフトのWebページを確認してほしい。

 今回の記事は、原則としてサブスクリプションが有効になった環境を前提とする。

左がiPadで動作するOfficeアプリ「Excel」で右がWindowsタブレットで動く「Excel Mobile」の画面。どちらも同じように見える。
左がiPadで動作するOfficeアプリ「Excel」で右がWindowsタブレットで動く「Excel Mobile」の画面。どちらも同じように見える。
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左はWindowsタブレットの「Excel 2016」、右はAndroidタブレットで動く「Excel」。こちらはメニューに少々違いがあるが、開いている書類はほぼ同じだ。
左はWindowsタブレットの「Excel 2016」、右はAndroidタブレットで動く「Excel」。こちらはメニューに少々違いがあるが、開いている書類はほぼ同じだ。
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