ここ3~4年ほどスマートウオッチの動向をチェックしている。利用者は、着実に増えていると思う。とはいえ、それはほぼApple Watchに限ったことだ。Apple Watchは数え切れないほど見かけるが、Apple Watch以外のスマートウオッチを取材以外の場所で目撃したことは、2度しかない。
完全に勝負あったの感が否めないのが、今日時点の状況だ。
高級時計をリリースしているようなメーカーは今のところ、スマートウォッチをあまり気にしていないようだ。僕としては、メーカーが今のようにうかうかしているのはおかしいのでは、と思う。少なくとも“手首の取り合い”はすでに始まっていて、10年後には半数以上がスマートウオッチに奪われると思うからだ。
現在のスマートウオッチはアクティビティモニターとしての用途にもよく使われており、スポーツシーンで見かけることがかなり多い。カシオ計算機のアウトドア向けブランド「PRO TREK」がスマートウオッチに力を入れるのは頷けるところだ。
こうしたスポーツ向け市場は、ガーミン(GARMIN)などのアクティビティモニターが席巻している。Apple Watchも存在感がある。ただトレッキングや登山向けとなると、まだ参入の余地は大きい。こうした用途では多機能時計の出番も多いので、狙い目なのだろう。
それにこの手の時計はファッションとして身につけている人もいる。登山などをしなくても、雰囲気でPRO TREKを装着してもらえばそれでいいわけだが。
ということで、最新モデルの「PRO TREK Smart WSD-F20-RG」を借りてみた。
あまりにも大きくゴツイ
本体サイズは61.7×57.7×15.3ミリで、時計としては非常に大きい。ゴツくて大きな時計も流行しているようだが、そんな流行を意識している人でもないとつけられないだろう。
少なくとも、手首が細い人には似合わない。日常的に装着していてもかなり目立つので、それが望ましいと考える人には最高のモデルだ。ただ、スーツには似合わないと僕は思う。また、この時計を付けたままキーボードを叩くのも邪魔。やっぱりアウトドア用と考えよう。
重量はバンド込みで92グラムもある。大きいから視認性が高いとはいえ、僕はここまで重い時計を手首に装着して長時間歩きたいとは思わない。GPSやWi-Fiを内蔵し、バッテリーも大きくした結果、このサイズになったのだろう。人によってはオーバーサイズだと感じるだろう。
本気でこのモデルを使いたいと思った人にとっても、重大な欠点がある。GPS機能が電池をかなり消耗するのだ。GPSで毎秒測位する「制度優先」モードでは、カラー表示を自動でオフにする設定でも、7~9時間しか持たない。6分間隔の測位にして、かつカラー表示を自動オフにしても、最大2日しか持たない。
僕は、バッテリーを保たせるために機能面で妥協するのが、あまり好きではない。せっかくの機能なのに、使えなくしてしまう意味がよくわからないからだ。まあ、目一杯節約すれば、2日も持つと考えるべきか。
バッテリーがなくなったら充電すればいい。ところが次の問題は、ACアダプターがないと充電できないことだ。コネクターが専用なのでケーブルを持ち歩かないと充電できない。
これは、かなりのウィークポイントだと思う。つまり、1泊以上するようなキャンプには、専用ケーブルなしでは持って行けない。