この連載ではSEから営業職に転向した人に向けて、SEの強みを生かした「ロジカルセールス」の進め方を筆者の経験とノウハウを基に説明しています。前回(営業現場を仮想体験1:「3カ月で1社受注」を目標にストーリー作り)から連載のおさらいとして、ケーススタディを紹介しています。自分が営業担当者になったつもりで、読み進めてみてください。

 あなたはIT企業「ITproシステム開発」の営業担当で、卸売業向け販売管理パッケージの受注を目指しています。前回、ターゲット顧客とストーリーを決めました。今から展示会来場者に対して、アポイントメント取得の電話をかけてみます。

相手の心理的ガードを低くする

 突然お電話させていただき失礼します。ITproシステム開発の●●(これをお読みの皆さんの名前)と申します。XX様でしょうか。

(相手:はい、そうです)

 先日開催されましたXX展示会で弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。

 まず誰が、誰に対して電話をしているのかを説明しています。本来なら「展示会で弊社ブースにお越しいただき、お名刺を頂いた方にお電話させていただいております」と話すべきですが、説明が長くなり、心理的なガードも高くなる恐れがあります。

 ここでは、展示会で当社のブースに立ち寄っていただいたお礼を述べることで、説明と来場のお礼を同時に伝え、先方の心理的なガードを低くする効果を期待しています。