この連載ではSEから営業職に転向した人に向けて、SEの強みを生かした「ロジカルセールス」の進め方を筆者の経験とノウハウを基に説明しています。前回(訪問が「受注」につながらないと無意味、受注の極意を学ぶ)までで、アポ取りから商品を受注するまでの営業折衝に関わる主なストーリーやテクニックをご紹介しました。
今回はもう一つ、営業を行う上で避けては通れないトピックを取り上げます。顧客からの「値引き要求」にどう対応するか、です。
ほとんどの案件で、顧客から商品の値引きを要求されます。顧客にとって、「安く買いたい」というのはごく普通の心理です。皆さんも、顧客の立場で考えれば納得するでしょう。
営業担当者は、その顧客心理を理解する必要があります。だったら、「受注するためには、多少の値引きはいいのでは?」と考えていいものでしょうか。
いいえ、違います。値引きは、企業活動を支える「利益」を直接下げる、恐ろしい行為です。言い方はきついかもしれませんが
値引きは「悪」
と捉えるべきです(図1)。