この連載ではSEから営業職に転向した人に向けて、SEの強みを生かした「ロジカルセールス」の進め方を筆者の経験とノウハウを基に説明しています。今回は前回に続いて、顧客訪問のアポイントメント(アポ)の取り方を取り上げます。

 前回(「アポ取り電話地獄」から逃れる方策は?)、アポを取るのは「受注」するためであり、受注には「ストーリー(受注までの営業折衝の流れ)」と「テクニック(ストーリーを進めるための折衝技術)」が必要だとお話ししました。

 そのうえで、アポを取るためには(1)各ストーリーを細分化・詳細化した「詳細ストーリー」の内容を、全体のストーリーに応じて最適なものにする、(2)ストーリーの中に「テクニック」を組み込む、という二つのポイントが大切であるとしました(図1)。

図1●受注には「ストーリー」と「テクニック」が必要
図1●受注には「ストーリー」と「テクニック」が必要
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 今回はこれらのポイントについて見ていくことにします。

相手に応じて、アポ取りのストーリーを変える

 まず1点目です。同じ「アポを取る」にしても、「展示会への来場者」からアポを取るやり方と、「ホームページに問い合わせてきた人」からアポを取るやり方は異なります。前者の方が難易度が高いというのは、前回、筆者の体験談を例に採って説明しました。