Macの日本語入力プログラムのATOK 2016版が登場した。資料を見ながら報告書をまとめるといった場合に入力作業量を減らしてくれる「ATOKインサイト」、ブラインドタッチ時の誤入力の修正機能、辞書検索機能の強化版などが新たに加わって、日本語文書作成の効率化に寄与してくれそうだ。

新機能は省力化、ミスタイプの修正、正確な言葉遣い支援

 今度の新版ATOKには効率的に正確な文書作成ができるよう、3つの支援機能が追加された。一つは、作業中のパソコン上で参照している文書に含まれる語句を変換候補として挙げてくれる「ATOKインサイト」。二つ目はキーボード上に置いた指がホームポジションからずれてしまってミスタイプしたような場合に自動修正がかかる「ATOKタイプコレクト」。三つ目は文字入力中・変換中に加えて、確定後の文章から辞書検索できる「ATOKイミクル」。

 いずれも正確にきちんとした文書を作成するために役立つ機能だ。

 特に参照中の他文書から変換候補を出してくれる「ATOKインサイト」は、なかなか目の付け所が素晴らしいと感じさせるナイスなフィーチャーだ。

 発表資料や論文をWebブラウザーのSafariで開きながら報告書を作る、といった場面が仕事ではよくあるはず。そんなときに長い固有名詞や専門用語などが簡単に書き写せたらとても仕事がはかどる。

 たとえば、こんな具合だ。これは資源エネルギー庁のホームページでの告知文をSafariで見ながら文書作成しようとしている場面を想定している。たった一文字「え」と打つとご覧の通り、そこで書きたい語句が一発で飛び出してくる。これはなかなかの効果だ。特に医学文献、科学技術分野の論文などをまとめるときには重宝しそうだ(図1)。

図1●閲覧中の資料から変換候補をピックアップしてくれる
図1●閲覧中の資料から変換候補をピックアップしてくれる
WebブラウザーのSafariで資料を閲覧中に入力作業を行うと、このように資料中の言葉が変換候補として表示される。たとえば、これは「え」とひと文字タイプしたところだが、関連語句が表示された。便利そうだ。
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