パソコン向けのカスタムソリューション、iOSやAndroid向けの専用アプリ風の業務処理システムを制作できるFileMaker。単にMac向けのデータベースシステムでは、と過小評価されている節があるが、それではもったいない。開発と仕上がったアプリのネットワーク配信はMacでもWindowsでもできる。5月11日に発売された「FileMaker 15プラットフォーム」からはサーバーを含む一連の製品を契約人数内なら利用デバイスにかかわらず使えるチーム向けライセンスを導入して、ますます流動的に活用できるようになった。

新たに導入されたシンプルな購入形態「チームライセンス」

 これまで、FileMakerの導入には、利用形態ごとにどんな製品を何本買うべきか頭を悩ますことが多かった。アプリ開発用にFileMaker Proを1本、さらに細かな開発を進めるためにFileMaker Pro Advanced、社外に営業に出かけるユーザーにもアプリが使えるようにするためにFileMaker Serverを1本、と買い進めていくと、それだけでトータル19万8000円がかかっていた。プログラムのメンテナンス、あるいはクライアントとして利用する端末を増やすと、追加の費用がかかる。利用形態に最適化したプランを選ぼうとすると、とても複雑なライセンス契約を交わす必要があった。

 それを企業内のグループで決められた人数以内で使うのなら、一定の金額で使えるようにしたのが、チーム向けのライセンスプログラムFLT(FileMaker Licensing for Teams)だ。価格レベルは5人用で9万6000円に始まり、5人ずつ100名まで増やしていける。例えば、具体的には5人までで使うのなら9万6000円で開発用のFileMaker Pro、FileMaker Server 1本が使える、というものだ。このライセンスにはiOSデバイスにインストールしたFileMaker Go 15からや、AndroidやPC上のWebブラウザーからなら5人まで接続できる。これまで1ユーザーの契約であっても、フルに活用しようとしたら20万円近くかかっていたものが一気に安くなった、と言えるのだ。

 利用する端末の種類は問わないので、MacであろうがWindowsであろうがアプリ開発および開発したアプリ利用はOSを問わずに利用できる。ユーザー数の管理は導入したFileMaker Server 15の上で認証させる仕組みだから流動的な運用が可能だ。FLTの詳しい価格表はこちらだ(図1)。

図1●FileMaker 15で新しく始まったチーム向けライセンス
図1●FileMaker 15で新しく始まったチーム向けライセンス
ライセンス契約は「人数」で行う。契約人数内なら、FileMaker Pro 15、FileMaker Server 15、FileMaker Go 15やFileMaker ProからのWeb利用、Webブラウザーからの利用のすべてが同一料金で享受できる(ファイルメーカー社のホームページより)。
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