デジタル機器のソフトウエアにアップデートは付き物だ。動作不具合の解消、機能向上、陳腐化や情報漏えいを防ぐ目的で常にアップデートがかかる。コンピュータ用のOSでは、特に重要な意味を持つ。OSに情報漏えいの穴があると分かったら即座に対応策を施し、新版を配布する。ところが、日本語版のMac用OS Xアップデートは情報が極端に古かったり、異なるバージョンの情報が提示されたりして、ユーザーを悩ませる。正確な最新アップデート情報を入手するためにシステムを英語にしておくという人もいる。しかし、それでは日本市場をあまりにないがしろにしていると言われても仕方がないのではないだろうか。

セキュリティアップデート 2015-004の配信案内に対して
003の情報しか出てこない

 たとえば、4月から5月にかけて配信されているYosemite 10.10.3アップデート。この中にはセキュリティアップデート2015-004が含まれている。より詳しい情報を得ようとして、このパネル内に用意されているホットリンクをたどって「Apple セキュリティアップデート」ページに行くと、なぜか、セキュリティアップデート2015-003までの情報しか掲載されていない。

 単なる、情報の編集ミスなのか、それとも、日本語版においては、セキュリティアップデートは003までで十分という判断なのか、はたまた、004を提供するための検証が終わっていないため、実際に配布するのは003までであるということなのかもしれない。

 しかし、アップデートの案内ページのトップに「セキュリティアップデート2015-004」を案内しておきながら実際にはその詳しい情報が出てこないのはどういうことなのだろうか。これでは、アップデータがどういう内容のもので、どういう役割をするのか分からず、手が出せない。実は、Yosemite 10.10.3アップデートにはセキュリティアップデート2015-004が含まれているので、ユーザーはこれを個別インストールする必要はないのだが、Yosemite 10.10.3アップデートでセキュリティ上の何がどう改善されるのか、明確にしてもらわなければ、実行するべきかどうかの判断もつけかねる。この情報は現在のところ英語版しか用意されておらず、日本サイトでは見つけることができない。セキュリティアップデート2015-004には、SSLで暗号化された通信も暴露されてしまうのではないかと世間を騒がせた「OpenSSL Heartbleed 脆弱性」に対する対策も含まれている。こんな重要な情報をちゃんと提示してくれないとは…(図1、2、3)。

図1●セキュリティアップデート 2015-004の摘要を促す画面がApp Storeに表示された。セキュリティコンテンツについて詳しくはこちら、というホットリンクが用意されている。これをクリックすると…
図1●セキュリティアップデート 2015-004の摘要を促す画面がApp Storeに表示された。セキュリティコンテンツについて詳しくはこちら、というホットリンクが用意されている。これをクリックすると…
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図2●セキュリティアップデート 2015-004の詳しい内容を知ろうとここまで来たが、そんな情報はどこにもない。一番新しいのは3月19日リリースの「セキュリティアップデート 2015-003」だ。どういうことだろう。意味不明だ。
図2●セキュリティアップデート 2015-004の詳しい内容を知ろうとここまで来たが、そんな情報はどこにもない。一番新しいのは3月19日リリースの「セキュリティアップデート 2015-003」だ。どういうことだろう。意味不明だ。
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図3●実はセキュリティアップデート 2015-004はYosemite 10.10.3アップデートに含まれてしまっている。したがって、セキュリティアップデート 2015-004の詳しい内容を知ろうとしたらYosemite 10.10.3アップデートの詳細情報に当たればいいのだが、この情報は現在のところ、日本語で用意されていない。後述する「裏技」を使って英語のページを参照しなければ詳しいことは分からない。最近世間を騒がせたOpenSSLの脆弱性に関するパッチも当たっているが、日本のユーザーはこの情報にアクセスすることが難しい。
図3●実はセキュリティアップデート 2015-004はYosemite 10.10.3アップデートに含まれてしまっている。したがって、セキュリティアップデート 2015-004の詳しい内容を知ろうとしたらYosemite 10.10.3アップデートの詳細情報に当たればいいのだが、この情報は現在のところ、日本語で用意されていない。後述する「裏技」を使って英語のページを参照しなければ詳しいことは分からない。最近世間を騒がせたOpenSSLの脆弱性に関するパッチも当たっているが、日本のユーザーはこの情報にアクセスすることが難しい。
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