アップルが次世代の開発言語としてリリースしたSwift。2015年12月にはオープンソースに移行して、開発者は大いに盛り上がっている。開発者がSwiftに関する情報を自由に交換する場所としてGitHub上に広大なエリアが用意され、iOSはもちろん、Linux、Raspberry Pi、あるいはクラウド上(!)でさえ開発、実行できるようになった。先週、そんな開発者に向けての国際開発者会議「try! Swift」(http://www.tryswiftconf.com/)が東京・渋谷で開かれた。筆者も自腹参加して、熱気に当てられてしまった。
オープンソース化で勢い付くSwift
2015年12月にアップルが公開したソースコードには、Swiftコンパイラ、デバッガ、標準ライブラリ、基本ライブラリ、実行可能なアプリケーションを配布する際に必要なパッケージマネジャーなどが含まれ、デベロッパーはiOS, OS X, tvOS, そして watchOS、さらにLinuxのアプリ開発が可能になった。
開発者はこれらを使ってLinuxあるいはRaspberry Piなどのプラットフォーム上でSwiftを動かすことができるようになる。
実際、IBMはすでにPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)であるBluemix上でSwiftを利用可能にしており(Bluemix版Swiftのページ)、Swift開発がクラウド上でできる「IBM Swift Sandbox」(https://swiftlang.ng.bluemix.net/)をリリース、最近のWebブラウザーを搭載した各種モバイル端末でSwiftを使うことができるようになった(図1)。
クラウド上でSwiftを記述し、実行することができるクラウドサービスはこれ以外にもPaiza.io(https://paiza.io )などが続々登場している。GoogleもSwiftの導入に手を染め始めていると伝えられ、いずれ、Swiftはクロスプラットフォームのモバイル開発基盤に成長するかもしれない。
そんな大きなうねりが来ている中で、濃いカンファレンスが開かれるというので3日間通し参加料が約300ドルとかなり高かったけど、貯めた小遣いをはたいて参加したというわけだ。