上は2016年発売の東芝「dynabook RZ83/V」のバッテリー(220グラム)。下は、2010年発売のソニー「VAIO Z VPCZ12AFJ」の標準サイズのバッテリー(308グラム)。6年間のハードウェア進歩により小さなバッテリでも長時間動作が可能になった
上は2016年発売の東芝「dynabook RZ83/V」のバッテリー(220グラム)。下は、2010年発売のソニー「VAIO Z VPCZ12AFJ」の標準サイズのバッテリー(308グラム)。6年間のハードウェア進歩により小さなバッテリでも長時間動作が可能になった
(撮影:塩田 紳二)
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 パソコンを買い換えようと思い立ちました。今回は、その条件を考えてみようと思います。パソコンをとりまく状況の変化は大きく、「良いモバイルPC」の条件も変わりつつあります。

 筆者は昨年、ラップトップ(クラムシェル)、キーボード分離型2in1、キーボード折り返し型の2in1、そして純粋なタブレットという、4種のPCを購入しました。昨年の時点ではそうでもなかったのですが、技術的な進歩や環境の変化を考えると、どうも従来のような方針で今パソコンを選ぶのは、「ちょっと違うんじゃないか」という気がしてきました。

 かつてモバイルPCについて、「軽さは正義」と言われていた時代がありました。重量が2キロも3キロもあったころは、軽いパソコンこそモバイルユーザーに望まれていたものでした。筆者の手元にある最も重いモバイルPCは、4キロ近くあります。

 しかし現在では話が違っています。モバイルPCの多くは、重量が1キログラム前後です。また、8インチのタブレットをみると重量が400グラム以下の製品が多く、かなり軽量になっています。2in1ノートやクラムシェルノートでも、1キログラム前後というパソコンは珍しくありません。この中で「軽い」といっても何キログラムも差があるわけではなく、せいぜい数百グラム程度です。

 昨年購入した東芝の「dynabook RZ83/V」は、重量が1.3キログラムで、CPUは2.5GHzのCore i7-6500U。バッテリー駆動時間は、カタログ値で13.5時間です。それでも、取り外し可能なバッテリーは、かつてのノートPCのものより小さくて軽く、220グラムしかありません。

 2010年に購入した「VAIO Z VPCZ12AFJ」では、RZ83/Vと同等のバッテリ駆動時間を実現するのに、大型のバッテリーが必要で、その重さは460グラムでした。サイズとしては3倍近くというイメージです。

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 同等の重量にするには通常バッテリーにすればよいのですが、それも310グラムあり、駆動時間は7.5時間になってしまいます。しかもバッテリーのサイズは、RZ83/Vの倍ぐらいあります。

 この6年間でバッテリー技術が向上し、CPUやメモリー、ディスプレイなどの低消費電力化も進み、より小さいバッテリー容量で長時間の駆動が可能になったのです。