図●スマートフォンが普及する以前、2003年の日本国内携帯電話の出荷台数
図●スマートフォンが普及する以前、2003年の日本国内携帯電話の出荷台数
一年間の間に5100万台を出荷した
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 「スマートフォンが普及」し「高性能化」して、「パソコンがなくなる」という意見をときどき見かけます。単なる世間話ならいいのですが、ブログなどで見かけると、見ているほうが恥ずかしくなる感じがします。

 たしかに、スマートフォンの出荷台数は、パソコンよりも多くなっています。ですが、スマートフォンは、すでに普及していた「携帯電話」を置き換えているだけで、市場をゼロから作り上げたわけではありません。一見、スマートフォンが彗星のように現れてパソコンを抜いて急速に普及したように見えますが、実は長年、携帯電話が築いてきた市場で、置き換えを行っているに過ぎません。

 そもそも、スマートフォンが登場する以前から、携帯電話の出荷台数はパソコンを抜いていました。日本国内のデータですが、2003年(iPhoneが出る前のことです)の時点で、国内の「移動電話」の1年間の出荷台数は、5100万台でした*1。この2003年のパソコンの国内出荷は1200万台でした*2。ちなみに、5100万台のうち、1700万台はPHSでした。つまり、パソコンよりPHSのほうが売れていた時代があるのです。

*1:電子情報技術産業協会統計資料「2003年度移動電話国内出荷実績」
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/cellular/2003/index.htm
*2: MM総研、ニュースリリースより
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120040205500