マイクロソフトが今年の夏に予定しているWindows 10の「アニバーサリーアップデート」(RS1)の特徴の1つが「ペン」機能の充実です。もともと、マイクロソフトというよりも、ビル・ゲイツはペン好きで、「ペンコンピューティングが世の中を変える」みたいな発言をしていました。凡庸なる筆者などには、どう変わるのかは分かりかねますが、ペンが使えると便利だということぐらいは分かります。

 そもそもマイクロソフトがペンを採用した製品を出したのがWindows 3.1のころで「Windows for Pen Computing」(1991年)という製品がありました。その後、ずっとペンの研究はしていて、Windows XPのころには「タブレットPC」を提案し、Windows Vistaでは、ペン機能がOSの標準になりました。そういうわけで、Windows 10にもペンの機能は最初から入っているわけで、再び、これを持ち出したという「古くて新しい」話なのです。

 さて、RS1のペン機能を見ていくことにしましょう。ただし、RS1は、まだプレビュー版です。このため、最終版では仕様が変わる可能性があります。

 ペンが使えるハードウエアでは、タスクバーの通知領域に新たにペンのアイコンが追加されています。これをクリックすると現れるのが「Windows INK Workspace」(以下インクワークスペースと略します)です。ここには、上部に「付箋」「スケッチパッド」「スクリーンスケッチ」の3つの機能と「最近使用したもの」、そして「おすすめ」があります。また、一番下に「ボタンを選択してください」という領域があります(写真1)。

写真1●インクワークスペース。下の通知領域にある「ペン」アイコン(キーボードアイコンと音量アイコンの間)で起動できる
写真1●インクワークスペース。下の通知領域にある「ペン」アイコン(キーボードアイコンと音量アイコンの間)で起動できる
[画像のクリックで拡大表示]

 まず、上部にある「付箋」「スケッチパッド」「スクリーンスケッチ」です。これらは正確にいうと「アプリ」ではないのですが、一般的な説明が面倒なのでここではそれぞれをアプリと呼びます(実際にはエクスプローラーの拡張機能になっています)。