現在では、どちらかというと画面の大きなスマートフォンが主流です。中には6インチを超えるモデルもあり、「フォーン」と「タブレット」を組み合わせた「ファブレット」なる名称もあるぐらいです。タブレットの売れ行きがいまいちという話があるのも、スマートフォンの画面サイズが大型化してきたというのが原因の一つなのかもしれません。

我が家で一番大きなスマホ(Lenovo K900、5.5インチ)の上に一番小さなスマホ(LG L20、3インチ)を、さらに一番小さな携帯電話(N600i)を載せてみた
我が家で一番大きなスマホ(Lenovo K900、5.5インチ)の上に一番小さなスマホ(LG L20、3インチ)を、さらに一番小さな携帯電話(N600i)を載せてみた
(撮影:塩田 紳二)
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 画面サイズが大きいと、表示が見やすくなります。特に、PC用に作られたWebページを拡大せずに見られる、というメリットがあります。画面が大きければタッチ操作がしやすく、タッチキーボードが打ちやすくなります。

 本来は、これがタブレットのメリットだったのでしょうが、スマートフォンが大型化することで、その「お株」を奪った感じがあります。

 写真なども、画面が大きいほうがよく見えるので、拡大してようやく何の写真なのかが分かるなんてことも少なくなります。

 また、画面が大きく解像度が高いスマートフォンは、画面の発色がいいと、写真が「きれい」に見えるため、カメラの性能がいいのだと誤解することがしばしばです。スマートフォンの画面を見て、内蔵カメラを評価しているからです。

 そもそも大半のユーザーは、スマートフォンのカメラで撮影した写真を、スマートフォンでしか見ません。中にはPCに転送して見る人もいるかもしれませんが、そういう人でも、写真を最初に見るのはスマートフォンの画面です。だから高解像度で大きな画面、高品位表示が可能なディスプレイは、スマートフォンの内蔵カメラにとって、重要な要素といえます。

 ディスプレイパネルが大型化すると必然的に匡体が大きくなり、バッテリーを大きくできるというメリットもあります。バッテリー自体年々進歩していて、同じ体積でも容量が増えています。使い方によっては、本体のみで一日バッテリが持つ機種も登場し、外付けのバッテリーを使う必要が減ってきました。

 その半面、大きなスマートフォンをシャツのポケットからの出し入れするのが面倒、ネックストラップで首から下げていると首が疲れるといった話も聞きます。

どんどん小型化されてきた携帯電話

 そもそも携帯電話は、「小型化」により進化してきました。かつては、「自動車電話」といわれて持ち歩きが大変で、そのうちに肩掛け式で持ち歩くことが可能になりました。古い映画などを見ると、レンガのように巨大な携帯電話を使っているシーンを見かけます。しかも当時の携帯電話には、通話機能しかありませんでした。