Edisonの開発環境

 インテルは大きく2つの開発環境をEdisonに対して提供しています。

●Intel IoT Devkit

 EdisonやGalileoが狙っているのはIoT(Internet of Things)の分野です。IoTではEdisonやGalileoが搭載しているような小型で低消費電力のSoCを載せた無数のデバイスが情報(センサーデータなど)をやり取りするモデルが想定されています。

 そのようなIoTを実現する開発環境としてインテルは「Intel IoT Devkit」(http://goo.gl/SfvSp7)を提供しています。これはEdisonやGalileoのインタフェースを制御するライブラリと、ノード間の通信をするライブラリで構成されています。開発言語としては現時点ではC/C++とNode.js(JavaScript)をサポートし、さらにPythonなどを利用した開発も可能とされています。

 このIoT Devkitのために開発されているハードウエア制御とコミュニケーションのライブラリ「marr」はソースコードが公開され自由に利用できる状態になっています(https://github.com/intel-iot-devkit)。

 Intel IoT Devkitはまだベータ版のステータスですが、marrはすでに利用できるので作例も徐々に増えてきているようです。

●Arduino IDE

 for Arduino向けにはArduno IDEが頒布されています。Arduino IDE 1.5.3にIntel社がカスタムを加えたIDEで、Galileo向けのIDEと現在は共用が可能になっています。

 Edisonならではの開発をするならmarrがよさそうですが、本稿ではfor Arduinoを利用しているのでArduino IDEを使うことにします。

 先のダウンロードページの「Arduino Software 1.5.3 - Intel 1.0.4」のリンクからダウンロードします。Linux向けには32ビット版と64ビット版があるので適合するアーカイブを入手してください。

 ダウンロードできたら、/opt以下に展開します(32ビット版のファイル名はarduino-linux32-1.0.4.tgz)。

$ tar xvzf ~/ダウンロード/arduino-linux64-1.0.4.tgz -C /opt 

 このように展開するだけで利用できます*7。ただし、シリアルポートが利用できる権限がないとEdisonに書き込みができません。次のように自分自身のグループがdialoutグループに所属しているか調べておいてください。

*7 Windowsでも同様にWindows版のZipアーカイブを適当な場所に展開するだけで使えます。
$ grep dialout /etc/group
dialout:x:20:yoneda

 この例のようにコロンの後ろに自分のグループ名が付いていれば問題ありません。付いていない場合はroot権限で/etc/groupを開き、dialoutの後ろに追加してログアウト後、ログインし直しておきます。