月1000円台の定額で、高速モバイルデータ通信を利用しているユーザー企業がいる。スマートフォンは「iPhone」の利用率が8割を超えた一方で、Android端末は利用率が低下した。クラウドはSaaSの利用率が4割に達したものの、IaaSは伸び悩んでいる──。

 雑誌『日経コミュニケーション』は2014年7月から8月にかけて上場企業3200社を対象に「企業ネット/ICT利活用実態調査 2014」を実施した。今回の調査は様々な通信サービスや通信機器の利用状況と合わせて、ユーザー企業が実際に支払っている通信サービスの料金や通信機器への投資額の実態を明らかにすることを目指した。携帯電話の音声通話料金やデータ通信料金は、1回線当たりの月額料金を直接記入してもらう形で、調査を実施した。スマートフォンやタブレット端末の購入価格も金額で回答してもらっている。

 さらに支払額の変動状況を把握するため、モバイル分野では直近の2~3年、WANやIP電話など他の分野では同3~4年での支払額の変動幅を割合で調査した。通信機器やIP電話など投資額を金額で調査することが難しい項目は、変動幅を回答してもらっている。

 モバイル分野の料金は、意外な利用実態が明らかになっている。PBXやLANスイッチへの投資が減っているが、無線LAN機器やVPNルーターは低価格化にもかかわらず投資が増えている。次回の「価格動向」では、企業が実践できる節約術を解説。その後、利用シェアなどの恒例の調査結果を紹介する。