VAIO株式会社(VAIO)が2015年8月19日に開催した大田義実新社長の就任会見では、2年目を迎えた同社の経営方針が明らかになった(関連記事1関連記事2関連記事3)。

 大田氏は現在のPC事業を主軸としながらも新規領域事業を開拓する意向を示し、2017年度にはPCと新規事業を1対1の比率にまで成長させるとの構想を明らかにした。その中でも注目を浴びた話題の一つが、スマートフォン事業への取り組みだ(写真1)。

写真1●2015年6月8日にVAIOの代表取締役社長に就任した大田義実氏
写真1●2015年6月8日にVAIOの代表取締役社長に就任した大田義実氏
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 VAIOは、日本通信との協業によりVAIOブランド初のスマートフォン「VAIO Phone」を2015年3月20日に発売した(写真2)。だが、その展開にあたっては日本通信との間ですれ違いが続き、両社の間に禍根を残す結果に終わった。果たして「VAIOスマホ」に次の展開はあるのか、改めて検証したい。

写真2●VAIOブランドを使った初のスマートフォン「VAIO Phone」
写真2●VAIOブランドを使った初のスマートフォン「VAIO Phone」
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PC事業に加え、新規事業へと一歩を踏み出す

 大田氏はVAIOの経営方針について、同社の中核を担ってきたPC事業に加え、ロボットやIoT、ゲーム分野といった新規領域事業に参入することも明らかにした。その背景として、国内PC市場の縮小が加速している状況がある。