Androidは、2007 年に米Googleが中心となって発表したスマートデバイス向けのOSです。米AppleのiPhoneやiPadに搭載されているiOSと比べると後発ですが、無償で利用できるオープンソースソフトウエア(OSS)ということもあり、急速に普及しました。新規販売台数シェアもiOSを抜いて、世界中で広く利用されているOSになっています。

 Androidは当初、スマートフォン向けのOSとしてリリースされましたが、現在ではタブレットやカーナビゲーションシステム、テレビ、腕時計型端末、眼鏡型端末など、様々な機器に搭載されています。Androidプログラミングを覚えておけば、身の回りにある様々な機器とアプリケーションを楽しめるようになるでしょう。

 Googleは2014 年12 月、Androidアプリケーションを開発するための統合開発環境(IDE)である「Android Studio」を正式にリリースしました。これまでのAndroidアプリケーション開発は、IDEとして「Eclipse」を利用するのが一般的でしたが、今後はAndroid Studio を利用する方法が主流になるに違いありません。

 本特集では、Android Studio の正式版を利用して、Androidアプリケーション開発の基礎を解説していきます。Android Studio では、Android 端末を画面上で再現するエミュレータも利用できるので、Androidの実機を持っていない方でもプログラミングを楽しめます。この機会にぜひ、Androidアプリケーション開発の“はじめの一歩”を踏み出してください。

【注意】記事中のソフトウエアの画面や操作は、記事執筆時点のバージョンのものです。最新バージョンでは異なっている場合があります。

 米Googleは2014年12月、Androidアプリケーションを開発するための統合開発環境(IDE)であるAndroid Studioのバージョン1.0(正式版)をリリースしました(図1)。それまでAndroidアプリの開発環境としては、Android Development Tools(ADT)プラグインをバンドルしたEclipseが提供されていて、IDEとしてEc lipseを利用するのが一般的でした。ところがGoogle は、前述のAndroid Studioの正式版をリリースしたことに合わせて、ADTをバンドルしたEclipseの提供を終了しました。そして、今後はAndroid Studioが「公式のIDEである」と宣言し、Android Studioへの移行を促しています。したがって、今後Androidアプリを開発する場合は、Android Studioを利用する方法が主流になるでしょう。

図1 ●米GoogleがAndroidアプリ開発者向けに提供する統合開発環
図1 ●米GoogleがAndroidアプリ開発者向けに提供する統合開発環
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 これまでEclipseを使ってAndroidアプリを開発していた人にとっては、Android Studioの導入法や操作法は気になるところです。一方、これからAndroidアプリ開発を始める人にとっては、Android Studioの入手法からAndroidアプリ開発の基礎知識まで、着実に学んでおきたいところです。

 そこで本特集では、Androidアプリの仕組みからAndro id Studioの導入手順、使い方まで、イチから丁寧に解説していきます。