ここでは詳しく取り上げませんが、Windowsでは、標準の「コマンド プロンプト」に加えて「PowerShell」というシェルも利用できます。PowerShellはWindowsのシステム管理に特化したシェルです。

 PowerShellは、Windowsのハージョンによって標準でインストールされている場合とされていない場合があります。標準でPowerShellがない環境では、Microsoft社のWebサイトからダウンロードしてインストールすることで利用できるようにWindows PowerShell なります。

 PowerShellを起動するには、スタートメニューから「すべてのプログラム」→「アクセサリ」とたどり「Windows PowerShell」というフォルダを開きます。

 その中から「Windows PowerShell」を選択すると、「コマンド プロンプト」と同様の画面が表示されます。

●WindowsPowerShell
●WindowsPowerShell
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 Windowsのバージョンによっては「Windows PowerShell ISE」が用意されている場合もあります。これはPowerShellのGUI画面版です。

●WindowsPowerShell ISE
●WindowsPowerShell ISE
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 コマンド プロンプトで「powershell」と入力することでもPowerShellを起動できます。

●コマンドプロンプトからPowerShellを起動
●コマンドプロンプトからPowerShellを起動
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コマンドは実はエイリアス

 PowerShellでは、コマンド プロンプトのようなコマンドとMac/UNIXのようなコマンドの両方を使えます。例えば、ディレクトリの内容の一覧を表示するのに「dir」と「ls」の両方を使えます。

 ただし、こうしたコマンドは、実際にはコマンドに別名を付ける機能である「エイリアス」で実現されています。dirもlsも、PowerShellの「Get-ChildItem」というコマンドに対するエイリアスになっています。このため、WindowsやMacのコマンドと同じようにはオプションを使うことができない場合があるので注意してください。

●PowerShellで利用できる主なエイリアス
エイリアス PowerShellのコマンド コマンドの内容
cat/gc Get-Content/type ファイルの内容を表示
cd/chdir/sl Set-Location カレントディレクトリを変更
clc Clear-Content ファイルを空にする
clear/cls Clear-Host 画面を消去
clhy Clear-History コマンド履歴を消去
compare/diff Compare-Object 比較
copy/cp/cpi Copy-Item コピー
del/erase/rd/ri/rm/rmdir Remove-Item 削除
dir/gci/ls Get-ChildItem ディレクトリの内容を表示
echo/write Write-Output 出力
gal Get-Alias エイリアス一覧を表示
gcm Get-Command コマンド一覧を表示
gdr Get-PSDrive ドライブ一覧を表示
ghy/h/history Get-History コマンド履歴を表示
gl/pwd Get-Location カレントディレクトリを表示
gps/ps Get-Process プロセスを表示
ihy/r Invoke-History 最後に実行したコマンドを実行
ii Invoke-Item ファイルを開く
kill/spps Stop-Process プロセスを終了
lp Out-Printer プリンタに出力
man help コマンドの使い方を表示
md mkdir ディレクトリを作成
mi/move/mv Move-Item 移動
mount/ndr New-PSDrive ドライブを作成
nal New-Alias エイリアスを作成
ni New-Item ファイル/ディレクトリを作成
popd Pop-Location カレントディレクトリをポップ
pushd Push-Location カレントディレクトリをプッ
シュ
ren/rni Rename-Item リネーム
rdr Remove-PSDrive ドライブを削除
saps/start Start-Process プロセスを開始
sc Set-Content ファイルに書き込み