日本では、購入したテンプレートを活用して制作したアプリの例をあまり聞かないが、海外では頻繁に行われている。アプリテンプレートマーケットを運営する英チュパモバイル(Chupamobile)の調べによると、AppStoreにリリース済みアプリ約150万のうち、1%に相当する1万5000のアプリが同社のテンプレートをベースとしているという。

 テンプレートの価格帯としては、安くて50ドル程度、高くてもせいぜい1000ドル程度である。購入時のライセンス形態は複数ある。1アプリのみリリース可能なシングルライセンス、複数のアプリを構築してリリースできる「マルチライセンス」がある。

 また、購入したテンプレートを活用したアプリの再販売を許可するライセンスも存在する。カテゴリーはカジュアルゲームや、スケジューラーやRSSリーダーなどの汎用性が高いツールアプリが多い。

■ビルドすればすぐにアプリとして動作する

 テンプレートとは、ビルドすればすぐにアプリとして動作するソースコード群である(画面)。基本的な機能はそろっており、購入者は画像を差し替え、必要があればカスタマイズをして、マーケットに申請をする。

 イギリスのあるカジュアルゲームパブリッシャーは、テンプレートを数種類購入し、画像を差し替えた数十本のゲームをリリースして広告収益を得ている。 アプリの開発にはObjective-CやJava、その他プログラム言語の知識が必要だが、テンプレートを活用すればプログラム経験がさほど無くてもアプリのリリースが可能になる。

画面●モバイルアプリのテンプレートの例
画面●モバイルアプリのテンプレートの例
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