第1回では、アプリのM&Aのメリットや背景について紹介した。今回は、アプリのM&Aがどのように行われているのかについて、実際の手順を通じて解説する。画面はいずれも、AppTrader(https://www.app-trader.net/)での例だ。

ダウンロード数や収益を自動で登録

 アプリを売却する側の流れを見ていこう。最初のプロセスは、販売するアプリを「マーケットプレイス」に掲載することだ(画面1)。AppTraderでは、会員登録後、販売者が「Google Play Developer Console」もしくは「iTunes Connect」にログインし、AppTraderのクローラー用ユーザーに閲覧権限付与をし、招待する(画面2)。

 AppTraderのクローラーが、招待されたアカウントを利用して、Google Play Developer ConsoleやiTunes Connectにログインし、登録済みのアプリ一覧情報、アプリのダウンロード数、収益をクローリングして、抽出し、AppTraderシステムに登録する。クローリングが終了すると、販売者はAppTraderにアプリを追加できるようになる。

画面1●AppTraderにおけるマーケットアカウント情報の入力画面
画面1●AppTraderにおけるマーケットアカウント情報の入力画面
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画面2●閲覧権限を付与する
画面2●閲覧権限を付与する
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 クローラーによって取得する情報は、アプリの紹介文、インストール数、収益、ユーザー評価、など多岐にわたる。取得した情報はAppTrader上に表示される。購入者は、こうした情報を基に購入するアプリを選ぶ(画面3)。

画面3●ダウンロード数や収益を確認できる
画面3●ダウンロード数や収益を確認できる
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名義移転してから落札金額を支払う

 販売中のアプリに入札希望者が入札をすると、販売者にメッセージが送信される。販売者は入札者とメッセージをやり取りし、落札者を決定する。希望する条件での入札が無ければ、販売者は入札を断ることができる。