OSSを使いHadoop環境 GDO

 Webでゴルフ事業を幅広く展開するゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)。2014年10月末時点で250万人を突破した会員向けに、ゴルフ関連商品の販売のほか、ゴルフ場予約、ゴルフスクールの検索、スコア管理などのサービスを提供する。Webサイトの月間最高ページビューは1.5億、サイトを通じたゴルフ場の予約数は最も多い月で47万人に達する(図4)。

図4●ゴルフダイジェスト・オンラインの中核事業
図4●ゴルフダイジェスト・オンラインの中核事業
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アクセスログの集計が高負荷に

 GDOは2010年にDWHやBIといったデータ分析基盤を稼働させると、改良を重ねながら販促活動やゴルフ場の営業支援レポートの発行などに活用してきた。2013年11月には、販促活動を強化するため、新たにSaaSの販促システムの採用を決めた。ところが、販促活動を支える分析基盤に課題があった。

 新たな販促システムでは、会員情報、購買履歴、会員のWebサイトの閲覧履歴を分析し、関心の高い会員だけにメールを配信する(図5)。例えば1週間以内に販促対象の商品ページを閲覧し、しかもその購入していない会員に絞って、キャンペーン情報のメールを打つわけだ。

図5●関心の高い会員だけに販促メールを配信
図5●関心の高い会員だけに販促メールを配信
会員情報と購買履歴に加え、会員のWebサイトでの閲覧履歴を組み合わせて会員を抽出。販促メールの配信効果を高める
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 この販促を実現するには、既存のDWHから会員情報や購買履歴のデータを、またログ解析システムからWebサイトのアクセスログのデータを抽出し、統合する必要がある。アクセスログは月間で約1億レコード発生しており、従来のデータ分析基盤には処理負荷が重かった。GDOの嘉か松まつ孝友氏(お客様体験デザイン本部 情報活用推進部 DB開発・行動分析チーム マネージャー)は、「ETLサーバーに高い負荷がかかり、夜間バッチ処理が間に合わないケースが出てきた」と振り返る。