最終回となる今回は、BYOD/COPEプログラムを実施するための準備・運用プロセスを取り上げます。BYOD/COPE導入に当たって、各部門の役割や導入体制、社内プロセスを明確化することが重要となります。これらによってトラブルの少ない順調な導入を実現できます。組織として効率的にBYOD/COPEを運用でき、また情報漏洩や労務管理などのトラブルのリスクを低減することにもつながります。

 検討が必要な項目については、以下が挙げられます。準備フェースでは3-1〜3-6の6ステップ、運用フェーズでは3-7〜3-18の12ステップがあります。今回は、これらのなかでポイントとなる部分について解説します(図1)。

図1●BYOD/COPEの準備フェーズおよび運用フェーズ(iPhone・iPad企業導入ガイドライン、p.78から引用)
図1●BYOD/COPEの準備フェーズおよび運用フェーズ(iPhone・iPad企業導入ガイドライン、p.78から引用)
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準備フェーズ

3-1 BYOD/COPE適用方針検討

 準備フェーズの最初にやるべきことは、BYOD/COPE導入に当たり、まずBYOD/COPEの全体像をある程度見通すことです。「どの部門」に、「どのようなシステムやデータ」を利用させるかをイメージします。これにより、解決すべき課題やプロジェクトメンバーとして協力が必要な部署を把握します。今後のスケジュール作成において、作業項目を洗い出すために必要な作業です。具体的には、以下の点について確認します。

●BYOD/COPEで利用するシステムやデータの候補について整理
●労務管理上の考慮点
●費用負担
●予算と対象部門
●部門の取引先との契約や規則などで問題が生じないか(BYODの場合)

 ここで分かった内容を基に、スケジュール作成、タスクの洗い出しへと進んでいきます。