2016年は、米ナイアンティックの「ポケモンGO」が社会現象となる大ヒットとなり、12月には「スーパーマリオ ラン」の配信を開始するなど、スマートフォンゲーム市場が任天堂の影響を大きく受けた1年だった(写真1)。任天堂の本格参入で、スマートフォンゲーム市場は変わるのだろうか。

写真1●「スーパーマリオ ラン」は任天堂のスマートフォンゲーム本格参入タイトル。日本では12月16日に配信を開始し、早速話題となっている。写真は12月7日の任天堂プレス向け体験会より(筆者撮影)
写真1●「スーパーマリオ ラン」は任天堂のスマートフォンゲーム本格参入タイトル。日本では12月16日に配信を開始し、早速話題となっている。写真は12月7日の任天堂プレス向け体験会より(筆者撮影)
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「ポケモンGO」が社会現象を巻き起こす大ヒットに

 今年、最も注目されたスマートフォンゲームといえば、米ナイアンティックが任天堂やポケモンと共同で開発したポケモンGOであることに、異論の余地はないだろう。

 ポケモンGOは、現実の世界を歩きながらモンスターを探して集め、育ててバトルさせるシンプルなゲームだ。だが家でプレイするのではなく、実際に歩いてポケモンを探すという新しい楽しみを与えたこと、そして収集できるのが、ゲームやアニメで20年以上高い人気を獲得している「ポケットモンスター」の登場キャラクターであったことなどから、ポケモンGOは世界的に爆発的なブームをもたらした。

 日本でも7月22日から配信が開始されたが、その直後から街中がポケモンGOをプレイする人々で埋め尽くされるなど、社会現象を生み出した。あまりの影響の大きさゆえ「歩きスマホ」をする人が急増したり、車を運転しながらプレイして事故を起こすケースが相次いだり、レアポケモンが発生する場所に突如多くの人が殺到したりと、多くの騒動やトラブルが起こったことでも話題になった。

 配信から約半年が経過した現在、ブームは落ち着きプレーヤー数も開始当初と比べれば減少傾向にある。だがそれでも、ポケモンGOに関する話題は今なお多くのメディアで取り上げられており、人気が続いていることは確かだ。

 以前の記事でも触れているが(「日本配信開始の「ポケモンGO」が秘める、ブームにとどまらないポテンシャルの高さ」)、位置情報を活用したゲームはコアなユーザーが長く定着しやすい傾向にあり、ポケモンGO以前にナイアンティックが配信している「Ingress」も、イベントを実施すると多数の熱心なユーザーが集まるなど、現在も高い人気を維持している(写真2)。それだけにポケモンGOの人気は、2017年も継続しそうだ。

写真2●ポケモンGOの配信直前に実施されたIngressのイベント「Aegis Nova」では1万人を超える参加者が集まるなど、位置情報を活用したゲームは人気が継続する傾向が強い。写真は同イベントより(筆者撮影)
写真2●ポケモンGOの配信直前に実施されたIngressのイベント「Aegis Nova」では1万人を超える参加者が集まるなど、位置情報を活用したゲームは人気が継続する傾向が強い。写真は同イベントより(筆者撮影)
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