ソニーモバイルコミュニケーションズが今年新たに取り組んでいる新機軸のプロダクト「Xperia smart products」。スマートフォン以外のデバイスに「Xperia」のブランドを冠している。そのうちの1つ「Xperia Ear」の発売日が決定し、ようやく商品としてユーザーの手に届く。このプロダクトからは、ソニーモバイルの大きな変化も見て取ることができる。

「Xperia」ブランドをスマートフォン以外にも拡大

 2014年にスマートフォンの販売が想定を大幅に下回るなどして、ソニーグループ全体の業績に大きな打撃をもたらしたソニーモバイル。そのソニーモバイルが経営の立て直しを進める中、スマートフォン以外の新しいプロダクトとして、新たに打ち出したのが「Xperia smart products」である。

 「Xperia」といえばソニーモバイルのスマートフォンのブランドとして知られている。スマートフォンだけではないインテリジェントなコミュニケーション要素を持つデバイスに対しても、Xperiaのブランドを付けて製品展開していくというのが、Xperia smart productsの大きな目的となるようだ。

 Xperia smart productsは、2016年2月にスペイン・バルセロナで開催された携帯電話・モバイル関連の総合見本市イベント「Mobile World Congress 2016」(MWC)で発表された。その際ソニーモバイルは、同プロダクトの具体的なモデルとして、製品化が進められているボイスアシスタント「Xperia Ear」と、コンセプトモデルの3機種を紹介していた(写真1)。

写真1●「Xperia smart products」の1つ「Xperia Ear」。耳に装着して利用するボイスアシスタントデバイスだ。写真はIFA 2016のソニーブースより(筆者撮影)
写真1●「Xperia smart products」の1つ「Xperia Ear」。耳に装着して利用するボイスアシスタントデバイスだ。写真はIFA 2016のソニーブースより(筆者撮影)
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 9月2日〜7日にドイツ・ベルリンで開催された家電総合見本市イベント「IFA 2016」で同社は、Xperia Earを11月に欧州で発売すると発表。コンセプトモデルのうち「Xperia Projector」「Xperia Agent」に関しても、ハードウエアの進化とともに、新たな取り組みが明らかにされている。

 だが、これまでスマートフォンを手掛けてきたソニーモバイルが、なぜスマートフォン以外のデバイスを手掛けるに至ったのだろうか。そして同社はXperia smart productsで、何を目指そうとしているのだろうか。今回のIFAで見せた新しい取り組みとともに、同社の狙いと変化を確認してみよう。