Instagramに続いて、写真共有アプリ「Snapchat」の人気が日本でも高まってきている。投稿した写真や動画が時間経過とともに消えるコミュニケーションツールとしてよりも、顔をユニークに加工できるツールとして注目されているようだ。さらに「SNOW」という同様のアプリも登場している。日本でも日常的なコミュニケーションツールとして、これらのアプリが普及する可能性はあるのだろうか。

Snapchatが「顔加工ツール」として人気に

 Snapchatは、投稿した写真や動画が、閲覧したら短い時間で消えることが特徴のコミュニケーションツールとして知られている。2011年のサービス開始以降、内容が消える気軽さから海外では10代から20代前半の若い世代を中心として急速に人気を拡大。2016年に入ってからは1日のアクティブユーザー数がTwitterを抜くなどの報道もあり、その人気は現在も大きく伸びていることが分かる。

写真1●日本でSnapchatは、顔を加工できる「Lenses」機能が注目され人気が高まっているようだ
写真1●日本でSnapchatは、顔を加工できる「Lenses」機能が注目され人気が高まっているようだ
出所:Snapchat
(https://support.snapchat.com/ja-JP/a/press)
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 海外の人気とは裏腹に、日本では長い間、積極的に利用するユーザーが少なく、あまり注目されてこなかったSnapchat。だが2016年に入り、Snapchatが日本でも人気を獲得し始めたようだ。実際ここ最近、高校生や大学生など若い世代の間でSnapchatが「スナチャ」という略称で呼ばれ積極活用されるようになってきたほか、テレビなど多くのメディアでSnapchatが取り上げられるようになるなど、人気に火がついていることが分かる。

 だがその内容を見ると、我々がイメージしているSnapchatとはやや異なるようだ。というのもテレビなどで大きく紹介されるのは、Snapchatの中でも顔加工機能の「Lenses」と呼ばれる機能が中心であり、投稿内容が閲覧したら消えるなど、コミュニケーション部分の特徴は大きく取り上げられていないからだ(写真1)。

 このLensesという機能は、Snapchatが2015年に買収したLookseryという企業の技術を用い、カメラで映した顔にリアルタイムで様々なフィルターを付与するもの。自分の顔に眼鏡やハートなどを加えるだけでなく、犬の耳や鼻を付けたり、映っている2人の顔を入れ替えたりと、顔を大胆かつユニークに加工ができるのが大きな特徴となっている。

 顔の加工は写真だけでなく動画にも適用できることから、海外のハリウッドスターやセレブ、そして日本の芸能人などが、自分の顔を面白く加工して様々な動画を公開。それらを見た若い世代から人気の火がついたと見られており、ユニークに顔を加工するツールとして人気が高まっているようだ。実際Snapchatで加工した顔の動画を、Instagramなど他のSNSに投稿するケースも頻繁に見られる。

 こうした経緯から、日本でSnapchatは元々のコンセプトがヒットして人気を獲得したというよりも、顔を面白く加工できる点が人気となって、利用が急速に拡大していることが分かる。